未製本 水の作り方

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2006 / 03 / 20  Mon
   
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雪を積み上げて
家を作った
家族も雪で作って
色色な人たちを招待した

色色な人たちは
贋物に囲まれて幸せそうだねと笑った

贋物じゃないよ
家族だよ

そう言うと

彼等は笑っただけだった

僕はその夜
悔しくて涙を流しながら
家族を抱きしめ眠った

そしたら

翌朝には家族の姿はどこにも
なくなってたんだ
僕が水溜りの真ん中で寝ているだけで

僕はその水で顔を洗った
じゃぶじゃぶと思いっきりこすった
その水は、とてもとても、
     熱かった

気がついたら夜になっていた
僕は再び眠りについた

目覚めると

今度は家がなくなっていた
前にも増して水溜りが大きくなっていた
僕はぼんやりと空を眺めてから
すがりつくものも無く
情けなく嗚咽をもらした

僕は水溜りを掻き集め
誰もが忘れてしまった小川をお墓とし
自分の血と混ぜながら流した

戻ってきた僕を見て
色色な人たちは
心配そうに

本物の家族を作りなさい

そう言って僕の前からいなくなった

やがて暑い盛りが来て去って
雪がまた降り始める

僕はまた家族を作り始めた
春には居なくなる家族だったけど
僕には大事な大事な家族だったから

来る日も来る日も
夏の間は雪を待ち
冬の間は言葉を待った
僕の家族は作るたび
変わらぬ笑顔を僕に向けたのだった
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